1・13:30 岩崎明子(一橋)
「アフリカ・ポップ・アートのグローバル化と西欧的主体の成型:マコンデ、ティンガティンガ、シェタニ画の場合」
<要旨> 東アフリカ海岸部で制作される「アート」作品が、グローバル・マーケットで結びつけられた生産者と受容者の間に奇妙な関係を生み出している様子をアフリカと日本でのフィールドワークに基づいて検討する。

2・14:10 小川さやか(京都)
「ウジャンジャというポップ・アート」
<要旨> スワヒリ語でウジャンジャ(tricky、cunning、狡賢さ、巧妙さ)と呼ばれるポップ(民衆的)アート(手腕・技術・芸術)について、タンザニアの事例を中心に、「ウジャンジャ」に論ずる試み。

3・14:50 古川優貴(一橋)
「HipHopに音は入らない:YouTube、手話、ケニアの聾学校」
<要旨> 本発表は通常の発表ではなく、発表者が制作した映像最新作による「発表」である。
 HipHopを音(メロディ)や政治的側面よりも、リズムから捉えてみる。
映像素材は、YouTubeから拾ったもの、ケニアの聾学校で自ら撮ったものなどの予定。
 最終的メッセージがあるとすれば「世界中でI Love Me(の手話)!」。

(休憩15分)

4・15:45 「鼎談:ポスト・ワールド・ミュージック時代の
アフリカのポップミュージックとその受容・変容・借用・流通」
話題提起  鈴木裕之(国士舘)
X 鈴木慎一郎(信州) X 岡崎彰(一橋)
質疑・補足 金子穂積(音楽ジャーナリスト)
+ 小川さやか(京都)
司会 近藤英俊(関西外語)

主旨

 これはポップミュージック/ダンスについて語り合うセッションです。
まずアフリカのポップミュージックに長年かかわってきた三人が話題を提起し、次にその最新の状況に詳しい若手が質問やコメントをし、最後にセミナー参加者全員が各自気になる問題について自由に語り合う場です。また、語り合うだけでなくたくさんの音・映像資料を鑑賞する予定です。(資料の持込歓迎。PC以外の機器は要事前相談。)

話題要旨

鈴木裕之:
ワールド・ミュージック・ブームから現在までの日本におけるマンデ・ポップス(サリフ・ケイタやモリ・カンテ)の受容・流行・衰退を通して、また同じマンデ音楽であるジェンベ・ブームも少し絡めながら、日本社会におけるアフリカ音楽について話してみたい。

鈴木慎一郎:
 ワールドミュージックを、特定の音楽ジャンル名というより、音楽との新しい接し方のひとつだったととらえ、その現象を構成していたもの、例えば「民衆に根ざしているかどうかの基準で音楽を聴くこと」や「他者の音楽を媒介にして自文化の音楽に意識的になること」などの思想史的・文化史的意味を、アフリカ音楽、アフリカ系カリブ音楽のいくつかを話題にしつつ、考えてみたい。
 またワールドミュージック「頓挫」以降の、癒し系、エキゾ音楽、クラブ音楽といった文脈での非西欧音楽の受容をどう語ったらよいのか、これまでの議論をもっと複雑化させることができるような、話題提供をしたい。

岡崎彰:
 以上の話題を受けて、行き当たりばったりで、話題を盛り上げたり深めたりしてみたい。
 自前の話題としては、例えば、日本では、CongoのKononoをトランスミュージックとして愉しむ人、ケニア・ルオのリラ歌(Nyatiti)を習得した日本人女性、アフリカ・ダンス教室の増加、多様なジェンベブーム、
在日アフリカ系ミュージシャンの増加、そして、アフリカと世界との関係では、内戦その他様々な理由でアフリカから世界各地へ移動・離散するアフリカ人の増加、YouTubeなどの動画共有サイトが可能にした商品化を経ない(出来ない)音楽でも配信できる状況、そしてアフリカ音楽・ダンス・イディオムの借用・リミックスの増加現象などについて、映像資料を見ながら考えてみたい。

5・18:15以降(till dawn?)
東本館社会人類学共同研究室にて懇親会
(費用実費・参加自由)

問い合わせ先

岡崎彰 (一橋大学)
TEL: 042-580-8960  
E-mail: akira.okazaki@srv.cc.hit-u.ac.jp

日時・場所

12月8日(土)13:30から18:00まで(13:15開場)
入場無料・事前申し込み不要
@一橋大学東2号館AV2202号室
(http://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html)